メンタルヘルスの一次予防とは、メンタル不調にならないための予防を指します。
その予防にはそこで働く個人が取組むものと、もうひとつは職場環境の改善であり、企業・各事業所として取組むものと2つあります。
まずは、そこで働く個人が取組むメンタル不調の予防として、ストレスやメンタルヘルスの基礎知識を身につけ、自分自身でストレス状態に気づけるようになることが上げられます。基礎知識の中には、普段の生活(睡眠や食事・アルコール)も含まれております。
それを身につけることにより、ストレスが深刻化するに至る前に軽減・解消し予防することができます。
これは厚生労働省の『労働者の心の健康保持増進のための指針』に示されている、「4つのメンタルヘルスケア(セルフケア・ラインによるケア・事業場内産業保健スタッフによるケア・事業場外資源によるケア)」のセルフケアに該当します。
そして次に、企業及び各事業所が取組むメンタル不調の予防として、個人と同じく、ストレスやメンタルヘルスの基礎知識をしっかりと理解をされ、その重要性を認識し、各部署の長や従業員に対して教育を行なっていくことであります。
そのことにより、各部署の長は部下のいつもと違った様子に気づき、適切に促すことができ(ラインによるケア)、また従業員一人一人も自身のストレス状態に早期に気づいたり、日頃よりそれを予防すること(セルフケア)ができます。
メンタルヘルスの予防の段階として、二次予防の「早期発見」と三次予防の「職場復帰支援・再発予防」がありますが、その中でも1次予防の役割は非常に重要であり、そこで食い止めることは労使双方にとりまして、非常に有益なものとなります。
お読み頂きまして、ありがとうございました。
【コラム執筆:産業カウンセラー 磯野 賢次氏 】
http://www.inner-peace.net/counselors/detail/136